2日目:子どもが成長する環境の作り方
このページでは、『みんなの居場所まどい』特別動画『子どもが成長する環境の作り方』をご覧いただけます。
またこちらのページでは動画の要約もご用意しましたので、予習や振り返りにご活用ください。
動画ではより具体的な事例などをお話ししていますので、必ず動画もご確認くださいね。
今回は、「子どもが成長する環境の作り方」というテーマでお話をしていきます。動画を最後まで見ると、「子どもが成長する環境」の作り方がわかり、今日からすぐに実践することができます。ぜひ最後までご覧ください。
「ある」に目を向け
成長する環境に進化させる
前回の動画で、子どもの「ある」に目を向けると、可能性を引き出すことができる。というお話をしました。
この「ある」に目を向けるというベースをもとにして、私たち親・大人にできること。
それは、成長する環境を用意する。ということだけです。
この環境「さえ」用意することができれば、あとは子どもが、自分の力で成長していきます。
家族が「ある」をベースにした、安心安全の場所である状態で、それを成長する環境に進化させていくということです。
誰にでもできる
成長する環境づくり
環境を用意すると言っても、高いお金を払って私立の学校に入れるの?
結局は、そもそもの子どもの才能によるんじゃないの?
すでに学校に行っているんだから、学校内部のことは自分じゃどうにもできないよね?
もしかしたら、そんな風に思われるかもしれません。
ただ、そのように考えていては、いつまで経っても「人ごと」「人のせい」な思考から抜け出すことができないんですね。
もしぼくが、すぐれた環境に入ることしか頭になくて、自分には「環境を作る」ことはできないと思ったまま、誰かが作ってくれる環境のせいにしていたら、一生、今のような「成長する環境」は作ることができなかったと思います。
ただ、今日紹介することを徹底するだけで、驚くほど子どもが成長する「環境」を自分で作ることができます。
この環境さえ作れば、国語でも算数でも、あるいは音楽や体育、図工でも、はたまた様々な興味ある分や、そう、どんなことでも成長していける、
そんな環境は、作れるんです。
実際にぼくも、小学校教師時代。当然公立の小学校なので、選び抜かれた子どもたちが集まっているわけではありません。
いまのまどいもそうです。入試があるわけではないので、選抜など行なっていません。
それでも、今回紹介する方法を実践していることで、
・子どもたちが集中して学ぶ
・自分自身で「できた!」を実感できる
・お互いに協力することができる
そんな「成長する環境」を作ることができています。
ぜひ、今回紹介することを自分のものにして、「成長する環境」を作っていきましょう。
成長する環境とは
「学習ゾーン」に入ること
まずいきなり結論なんですけど、成長する環境づくりのために必要なこと。
それは、「学習ゾーン」に入る。これを最優先することです。
なぜなら、どれだけ素晴らしい先生に教えてもらっても、またはどれだけわかりやすい教え方で教えてもらったとしても、そもそも学びの環境として「学習ゾーン」に入っていなければ、なにをしても効果は薄いからです。
学習ゾーンとは何か、どうやって学習ゾーンに入るのか、その方法について、具体的に説明していきます。
まずは、画像の表をご覧ください。
右上のエリアが学習ゾーンです。
心理的安全性が担保された状態で、好奇心をベースに、どんどん挑戦していく。
こんな状態を「学習ゾーン」に入っているといいます。
お子さんを学習ゾーンに入れるためには、次のステップを踏んでいきます。
①現在地を知る。
②心理的安全性を高める。
③自己決定を積み重ねる。同時に、質を高める挑戦をする
たったこれだけです。
たったこれだけで、成長できる環境を作ることができます。
ひとつずつ、説明していきます。
学習ゾーンの入り方
①現在地を知る
まずはステップ①「現在地を知る」 です。
現在、どんな状態にあるのか、自分で知ることは、非常に重要です。
なぜなら、まずは現状を認めて受け入れない限り、手の打ちようがないからです。
現状がどんな状態であれ、必ず「学習ゾーン」に入ることができます。
実際に、ぼくが担任を持ってたった3日で、いきなり学習ゾーンに入って爆発的に伸びた子もいました。
「出る杭は打たれる」という言葉があります。
何か頑張ろうとする人がいたら、陰口をたたかれたり、いじめられたり、馬鹿にされたり…
学校現場では、正直、そんな場面が多々あります。
この表でいうと、心理的安全性が低い「無気力ゾーン」や「緊張ゾーン」に入っているということです。
子どもに限らず、そんな風土をもった職場も、一定数存在するのではないでしょうか?
その環境下では、人間なかなか成長できません。
学習ゾーンの入り方
②心理的安全性を高める
次に、ステップ②は、「心理的安全性を高める」です。
心理的安全性とは、自分の気持ちを安心して表現できるという意味です。
では、子どもは、どんなときに安心するのでしょうか?
それは、「自分が、この場所に居ても良い」と感じているときです。
そのためにはズバリ「否定しない・されない」環境にすることです。
まずは、大人が見本を示し、子どものことを否定しない。
これだけで、かなりの効果が見込めます。
つい、子どものやることなすことに、いちいち口を出してしまう、そんな風に後悔してしまうことがあると思います。
そんなときは、「ある」に目を向けることを思い出して下さい。
あなたなら、必ずできます。
こうすることで、「無気力」「緊張」状態から、表の上に上げていくイメージを持って下さい。
まずは、「安楽」をめざすと思ってもらっても構いません。
学習ゾーンの入り方
③自己決定を積み重ねる
同時に、質を高める挑戦をする
最後に、③自己決定を積み重ねる。それと同時に、質を高める挑戦をします。
自分で決めることは、意外と難しいことです。
たとえば、宿題をするときに、漢字からするのか?音読からするのか?
はたまた計算ドリルからするのか?
こういった細かな部分でも、自分で決めて実行することを大切にします。
他の人が漢字からやっているから、または親が言うから、自分も漢字からやろう。
ではなく、「自分で決める」
やりたい順番でもいいし、その時の調子に合わせてもいい。先に苦手だなと思うものからやってもいい、とにかく、「自分で決める」ことを重視します。
自分で決める経験は、一日に何回やっても損はありません。
・着る洋服を決める
・朝ごはんの食器を決める
・飲み物を決める
・家を出る時間を決める
・履いていく靴を決める
などなど、一日の中に、何度も自己決定のチャンスはあります。
これを、親が先回りしてお膳立てしないように心がけることで、
子どもの心理的安全性は高まり、挑戦への意欲も高まります。
また同時に、質を高める挑戦をうながしていきます。
「この漢字は、こう書くともっと上手だよ」と言って、文字を、今までより丁寧に書いてみるようにする。
「この問題を解くのに、タイムをはかってみようか」と、計算のスピードを上げるための工夫をしてみる。
など、今の自分の現在地より、少しだけレベルが高いところをめざすことができるように声をかけていきます。
挑戦することができた。また、その結果、前はできなかったことが、できるようになった。成長できた。
そんなときは、大いに認めて褒めましょう。
これらのことについて、その様子を、変化を、
大人が子どもの代わりに言語化して、伝えます。
そうすると、子ども自身が、自分で自分の成長を実感できるようになってきます。
その「できた!」の積み重ねで、新しい挑戦への意欲、もっと知りたい!やってみたい!という好奇心が湧いてきます。
こういった状態を「学習ゾーン」と呼びます。
この学習ゾーンに入ることを、最優先するんです。
少し時間はかかるかもしれません。
しかし必ずや、効果が出ます。
子どもが成長する環境の作り方、
それは、
ステップ①現在地を知る。
ステップ②心理的安全性を高める。
ステップ③自己決定を積み重ねる
同時に、質を高める挑戦をする
そして、「学習ゾーン」に入る。
この環境づくりを、最優先するということです。
時間がかかっても、この方法で作った環境が、「成長する環境」です。
ここまでのお話で、環境を作る方法はわかった。
でもやっぱり、一人でステップを踏んで、全部できるのだろうか。
そもそも家庭内だけでは限界があるのでは?
そう思われる方も多いと思います。
たしかに、子どもが成長する環境を作るには、まず自分自身が、学習ゾーンに入ることが必須です。
親が自分の姿で語ることが、子どもにもっとも勇気を与えるからです。
ぼくたちは、その辺りも十分分かった上で、みんなで成長できる学びの場をつくりました。
みんなの居場所まどいは、その名の通り大人も子どもも、安心して成長できる場です。
今回説明した、成長する環境を、すでに用意しています。
ぜひ一度、遊びに来てほしいと思っています。